注目の論文
成体マウスで幹細胞から新しい卵子が形成された
Nature Cell Biology
2009年4月13日
Stem cells generate new eggs in adult mice
哺乳類の卵巣は成体期も、新しい卵を形成する能力をずっと維持しているらしいことが、新たな研究により明らかになった。この知見は、再生医学や生殖医学に重要なかかわりがあると考えられる。
一般に、哺乳類のほとんどの種では、「卵母細胞」として知られている卵子の形成は出生前に終了すると考えられている。最近、若年期から成体期のマウスで、卵巣に細胞複製能がみられることを示す証拠が得られたのにもかかわらず、出生後の哺乳類卵巣中に雌性生殖幹細胞(FGSC)が存在するかどうかについてはまだ議論が続いている。
J Wuたちは、生後5日齢および成体マウスの卵巣から、機能を備えたFGSCを単離したことを報告している。単離されたFGSCは自己複製能をもち、長期間にわたる培養の後でも増殖能が維持された。このFGSCを不妊マウスの卵巣に移植したところ、FGSCから卵母細胞が生じ、薬剤で誘発した不妊の回復が、仔が生まれたことで実証された。生まれた若いマウスには異常はなく、受精能力をもっていることがわかった。
doi: 10.1038/ncb1869
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
人類学:長期的レジリエンスは苦難によって構築されるNature