注目の論文
心房細動のリスクに影響する新たな遺伝的多型
Nature Genetics
2009年7月14日
A new genetic variant influences risk of atrial fibrillation
心房細動は、脳卒中と心不全の顕著な危険因子の1つだが、このほど2つの研究によって、心房細動に対する高い感受性と関連する遺伝的多型が新たに同定された。これらの研究論文は、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
心房細動(AF)は、慢性心疾患の一種で、心臓拍動不全と血液循環不全の原因となる心房内の電気的異常を特徴とする。また、この電気的異常によって、血液の貯留と血栓が生じ、この血栓が心臓から脳に送られて血管に詰まると、脳卒中が発生することもある。欧米では、4人中1人の割合でAFの生涯リスクがみられる。
ボストン大学(米国マサチューセッツ州)のE Benjaminとデコード・ジェネティクス社(アイスランド・レイキャビク)のD Gudbjartssonの2つの研究チームは、それぞれ数千人を対象としたゲノムワイドな関連解析を行い、AFの発症リスクがやや高くなった状態と関連するZFHX3遺伝子の多型を発見し、これを新たなリスク多型と同定した。なお、ZFHX3遺伝子がAF患者の心臓機能に影響を与える過程を解明するには、さらなる研究が必要である。
doi: 10.1038/ng.416
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