注目の論文
協調する記憶
Nature Neuroscience
2009年5月11日
Coordinated memory
情動と学習にかかわることが知られる脳領域は、学習の間に協調していることが、Nature Neuroscience(電子版)の論文で示唆されている。共役が高まることで、記憶の基礎となる神経結合が強化される可能性がある。
D Pareらは、報酬について学習する際に活動することが知られるいくつかの脳領域から出る信号を測定し、情動を仲介する扁桃体という構造と、学習にかかわる線条体という領域に注目した。ある音と報酬を独立して提示すると、音と同時にこの2箇所で律動的な神経活動がばらばらに起こった。しかし、音が鳴り終わると報酬がもらえることを動物が学習するにつれて、扁桃体と線条体の活動のタイミングが相関するようになった。このような協調性の増加はこの2箇所に特有のもので、記録したほかの脳領域ではみられなかった。
同時に発火した神経細胞どうしの結合は強まることが以前の研究で示唆されており、この協調性の増加は記憶を増強する仕組みかもしれない。
doi: 10.1038/nn.2305
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