注目の論文
遺伝子導入が、サルをSIV感染から守る
Nature Medicine
2009年5月18日
Gene transfer protects monkeys against SIV infection
サルの筋肉に抗体をコードする遺伝子を導入すると、サル免疫不全ウイルス(SIV)感染が防げるとの報告が寄せられている。
HIVに対し幅広い中和活性をもち持続性のある抗体を誘導する方法が見つかれば、ワクチン開発にとっては画期的なできごとだが、この点ではほとんど進展がみられない。Philip Johnsonたちは、SIV霊長類モデルを用いて別の方法を試みた。あらかじめSIVに対する特異性をもつとわかっている抗体の遺伝子を導入したのである。この方法では、遺伝子を筋肉に導入すると抗体が生産され、これが血流に乗って運ばれ、SIVを標的として特異的に作用する。
この戦略を用いて、マカクザルの血清に長期にわたって中和活性を誘導したところ、毒性をもつSIVを静脈注射しても、感染がまったく起こらなかった。この方法は、HIVワクチンに代わる予防方法として有望かもしれない。
doi: 10.1038/nm.1967
注目の論文
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
7月1日
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
6月27日
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月24日
化学:細菌がプラスチック廃棄物を鎮痛剤に変換Nature Chemistry