注目の論文
血圧調節に関与する比較的高頻度の遺伝子多型
Nature Genetics
2009年2月16日
Common variants that regulate blood pressure
血圧と高血圧症に影響し、一般集団に比較的高頻度でみられる遺伝子多型が初めて同定された。高血圧は、心血管疾患と腎不全の主たる危険因子であるとともに、修正可能で非感染性の病的状態と死亡の原因となっている。
マサチューセッツ総合病院(米国ボストン)のC N-Chehらは、ヨーロッパ系の人々を対象とした全ゲノム関連解析を実施し、血圧に影響する2つの比較的高頻度の遺伝子多型を発見した。この2つの多型は、心臓や血管によって産生されるタンパク質であるナトリウム利尿ペプチドをコードする遺伝子領域内に位置している。ナトリウム利尿ペプチドという名称は、尿からの塩分排泄過程を調節することが知られている点に由来する。血管壁の応力が増加すると、それに応答して、血管を弛緩させ、尿による余分な塩分の除去を促進するホルモンファミリーが心臓から分泌されることが判明していたが、それ以来、ナトリウム利尿ペプチドは人間の血圧調節にかかわっている可能性があると推測されていた。
この2つの多型は血圧に有意な影響を与え、その影響は、心臓病のリスクを約8%下げることに関連すると考えられてきた血圧の変化に匹敵する。遺伝子型によっては、一生にわたって血圧の変動にさらされることがあり、そうした場合には、この影響が増幅される可能性がある。現在、ナトリウム利尿ペプチド系を慢性的に活性化させる治療薬が、高血圧症の有用な治療法として開発中である。
doi: 10.1038/ng.328
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