注目の論文
アルツハイマーの原因となる集合体の特定
Nature Chemistry
2009年6月15日
Alzheimer's assemblies identified
Nature Chemistry(電子版)に掲載される研究によると、アミロイドベータ42タンパク質の12個1組の集合体が、おそらくアルツハイマー病発症のカギとなる神経毒である。そのような重要な毒性種を特定できることにより、発症初期段階でのアルツハイマー病治療への道が開かれるかもしれない。
アミロイドベータタンパク質の大きな集合体からなるアミロイド斑はアルツハイマー病の結果として生じることが知られている。しかし、最近の証拠は、その兆候がタンパク質の小さな集合体(オリゴマー)に起因するものであることを示唆している。これらのオリゴマーがどのようにして生じるかに関してさまざまな研究がなされたが、結果は矛盾するものであった。
M Bowersらは、エレクトロスプレーイオン化イオンモビリティー質量分析法という手法を利用して、アミロイドベータ42および病気の原因とならない近縁タンパク質によって形成されたオリゴマー混合物を研究した。この手法によって、研究者らは形成されたオリゴマーの質量と形状の両方を研究することができた。検討されたすべてのタンパク質がこのような小集合体を形成したが、12個からなる小集合体を形成したのはアミロイド42のみであった。
D ClemmerとS Valentineは、関連するNews & Viewsの記事の中で、「この研究で得られた知見を利用すれば、特定のサイズでオリゴマー成長を止めるよう意図された介入を計画できることが想像できるであろう」と述べている。
doi: 10.1038/nchem.247
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