注目の論文
粘っこい発作
Nature Medicine
2008年11月24日
Sticky seizures
てんかんの発作に、免疫細胞と脳血管との相互作用が関連している可能性が報告されている。この相互作用が、てんかんの予防や治療のための標的になるかもしれない。
てんかんの患者は世界人口の約1%にも上るが、どのような仕組みで起こるのかはほとんど解明されていない。G Constantinたちは、マウスの脳血管で発作によって接着分子の発現が誘導され、脳の循環系中の白血球が停滞することを明らかにした。これらの細胞と血管との相互作用を阻害したり、白血球の一種である好中球を激減させたりすると、てんかん発作が著しく減少した。
また、発作によって、血液と脳の間にある関門が漏出を起こしやすくなることもわかった。このような透過性亢進があると、ニューロンが活性化されやすくなることが知られている。白血球と脳血管との結合を阻害するとこのような漏出が防げることから、白血球と血管の結合と血液脳関門の破壊、発作の発生が関連づけられた。さらに、健常人に比べて、てんかん患者の脳には白血球が多いこともわかった。この知見は、ヒトのてんかんに白血球がかかわっている可能性があることと、よく符合する。
doi: 10.1038/nm.1878
注目の論文
-
5月29日
社会科学:研究テーマの変更は被引用数の減少につながるかもしれないNature
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月22日
微生物学:効果的な新しい抗マラリア薬は寄生生物を標的とするNature
-
5月21日
医学:非接触型無線モニタリングによる心臓不整脈の検出Nature Communications
-
5月20日
人工知能:大規模な言語モデルは、オンライン討論において人間よりも説得力を持つことができるNature Human Behaviour