注目の論文
【神経科】ヒトが注意を向けると視床枕核で起こること
Nature Communications
2012年9月12日
Neuroscience: Paying attention
ヒトが注意を向けるとき、脳の視床枕核で、注意対象に関する情報が処理され、それ以外の物に関する情報が除外されていることが判明した。この新知見は、脳内で視覚的注意がどのように維持されているのかに関する新たな手がかりをもたらしている。研究結果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
視床枕核は、視覚的注意に関与していると長い間考えられてきたが、この知見の相当部分は、脳卒中患者のように視床枕核に損傷のある被験者から得られたものだった。今回、J FischerとD Whitneyは、視覚刺激を提示された健康な被験者の脳について画像解析を行った。その結果、各被験者の同じ視野内で行動的に意味のある複数の刺激が視覚的注意資源をめぐって競合する場合に、視床枕核の活動が、無視対象ではなく、注意対象によって活発化することが判明した。FischerとWhitneyは、皮質視覚野が、注意対象と無視対象の両方に応答することから、視床枕核が、視覚を混乱させる要素を除去する独特な役割を担っていることが明らかになったと指摘している。
doi: 10.1038/ncomms2054
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
