注目の論文
BOLDシグナルを理解する
Nature Methods
2012年5月7日
Understanding BOLD signals
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で記録されたシグナルに寄与している細胞の種類を特定するのに有用な方法が、今週の『Nature Methods』で発表される。
MRI装置は、血流の変化を測定することによって脳の機能的活性化を検出する。コントラストに基づく血中酸素濃度依存型(BOLD)fMRIは、健常および疾患の状態にある動物モデルおよびヒトの脳機能を非侵襲的に研究するための一般的なツールになっている。しかし、BOLDシグナルの変化がどれだけ局所的な細胞の活性化を反映するのかは明らかにされておらず、fMRI試験の解釈に不確定性が生じている。蛍光センサーを利用する顕微鏡で動物モデルの脳内の個別細胞の活性を追跡することは可能であるが、それをfMRIと直接組み合わせることはこれまでに行われていない。
Fritjof Helmchenたちは、ラットで個別細胞の蛍光に基づく活性シグナルをfMRIと同時に記録した。脳内のニューロンおよびグリア細胞の活性、ならびにそれとBOLDシグナルとの関係を追跡することにより、特定の条件下ではグリア細胞の活性化もこのシグナルに寄与していることが明らかにされた。
この研究は、fMRIのBOLDシグナルの複雑性を強調し、fMRI試験の解釈に役立つ新たな端緒をもたらすものである。
doi: 10.1038/nmeth.2013
注目の論文
-
10月3日
神経科学:ショウジョウバエの脳の完全な地図Nature
-
9月26日
ウイルス学:牛のH5N1型インフルエンザは搾乳によって広がる可能性があるNature
-
9月26日
進化:哺乳類の顎関節の起源を調査するNature
-
9月24日
生態学:タコと魚の狩猟グループにおける共同リーダーシップNature Ecology & Evolution
-
9月19日
気候変動:将来の干ばつは予想以上に長期化する可能性Nature
-
9月17日
神経科学:妊娠に伴う脳の変化を調査するNature Neuroscience