注目の論文
極端な表現型のエキソーム塩基配列解読
Nature Genetics
2012年7月9日
Exome sequencing of extreme phenotypes
嚢胞性繊維症の患者は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)感染症の発症リスクが高く、緑膿菌感染症の発症は、肺疾患の長期化、重症化と生存率の低下に関連している。今回の研究で、緑膿菌感染症に対する感受性に関連する遺伝子多様体が同定された。この研究結果を報告する論文が、今週、Nature Genetics(オンライン版)に掲載される。
今回、M Bamshad、M Emondたちは、嚢胞性繊維症患者において緑膿菌感染症の発症リスクに影響する遺伝的要因を明らかにするため、極端な表現型を有する被験者を調べる研究を計画し、表現型分布から両極端の被験者を選抜し、これとエキソーム塩基配列解読を組み合わせた。このエキソーム塩基配列解読は、米国立心臓肺血液研究所(NHLBI)のエキソーム塩基配列解読プロジェクト(ESP)の一環として行われ、若年で慢性緑膿菌感染症を発症した被験者43人と慢性緑膿菌感染症に罹患していない高齢の被験者48人について実施された。この配列解析の結果、嚢胞性繊維症患者における緑膿菌気道感染症と慢性緑膿菌感染症の初回発症までの期間と粘液性緑膿菌の初回検出までの期間に関連するDCTN4遺伝子の多様体が同定された。そして、この結果は、別の嚢胞性繊維症患者696人の試料を調べることで確認された。
doi: 10.1038/ng.2344
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