注目の論文
ミュータンス菌株と出血性脳卒中の関連
Nature Communications
2011年9月28日
Association of a bacterium with haemorrhagic stroke
ミュータンス菌(Stretococcus mutans)の特定の菌株が出血性脳卒中に関連することが明らかになり、この菌株への感染が出血性脳卒中のリスク因子である可能性が示唆されている。この新たな知見を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 和田孝一郎(わだ・こういちろう)たちは、特定のタイプのミュータンス菌が脳卒中のマウスモデルの症状を悪化させ、この菌株が、コラーゲン結合タンパク質を用いてマウスの脳内の損傷した血管に結合しうることを明らかにした。和田たちは、対照群や非出血性脳卒中患者の場合と比べて、出血性脳卒中患者から単離された口腔細菌には、コラーゲン結合タンパク質を発現する細菌が高頻度で見られることを明らかにした。 この新知見は、出血性脳卒中を悪化させうる毒性タンパク質が特定の細菌に含まれていることを示唆している。これらの細菌は、出血性脳卒中のリスク因子でもある可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms1491
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