注目の論文
【細胞生物学】ビャクダンは発毛を促進する可能性がある
Nature Communications
2018年9月19日
Cell biology: Sandalwood may stimulate hair growth
このほど実験室環境でヒトの頭皮組織を用いた実験で、サンダルウッド(ビャクダン)系合成香料によって発毛が促進されることを明らかにした論文が、今週掲載される。
におい分子が鼻の特殊な細胞の表面にある嗅覚受容体によって認識されると、においを感じるようになる。しかし、嗅覚受容体は体内の別の細胞にも発現しており、嗅覚以外の細胞機能を調節している。
今回、Ralf Pausたちの研究グループは、毛包上皮、特に外毛根鞘に嗅覚受容体OR2AT4が発現していることを見いだした。また、ヒトの頭皮組織外植片をサンダルウッド系合成香料で処理すると、毛包の角化細胞の細胞死が減り、外毛根鞘のタンパク質(インスリン様増殖因子1)の産生が増えることによって、発毛が促進されることを実証した。
Pausたちは、脱毛の治療法を開発する上で、嗅覚受容体が標的となる可能性があると考えている。
doi: 10.1038/s41467-018-05973-0
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
