Press release

NPGマネージングディレクターからのお知らせ

2010年8月2日

図書館関係者の皆様へ

拝啓

時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は、たいへんお世話になっております。
さて、例年より少し早いのですが、2011年のサイトライセンスに関しまして、ご連絡いたします。
また、2010年の弊社の成果と今後の計画についても、この場を通じてご報告いたします。

弊社の最も重要な責務は、常に、科学と研究者にとっての利益を追求することです。これは、重要で価値ある研究成果をできるだけ幅広い読者に提供するという理念とともに、Nature 創刊時(1869年)からの使命であり、今も受け継がれております。

昨今の世界経済の状況は、私たちに大きな影響を与えています。図書館の予算も例外ではなく非常に厳しいものになってお り、学術コミュニケーションにも新しいビジネスモデルが必要になってきていると考えております。このため弊社では、価格をできるだけ抑え、想定内におさま るよう、収入源を多様化させるための投資、オープンアクセスジャーナルの創刊、コスト削減を積極的に進めています。こうした事業方針の一例がNature Educationであり、スポンサーと連携して、全世界の学生や学校関係者に科学教育用リソースを無償で提供しています。

今から2年前の2008年、弊社は、保有ジャーナルの値上げ幅を2009、2010、2011の各年について、前年度の 表示価格の7%未満とすることを発表し、これを遵守してまいりました。しかしながら、ここ数か月の間、2010年と2011年の値上げについて広範にわ たって議論が行われ、残念なことに、リスト価格とコンソーシアム向けのボリュームディスカウントを巡って混乱が生じてしまいました。ここで明確にご説明さ せていただきます。弊社の保有ジャーナルのサイトライセンス料金について、2010年のリスト価格は、2009年リスト価格比で3.5%の値上げになって おります。また、2011年のリスト価格は、2010年リスト価格比で4.5%の値上げとなります。一方、学会機関誌のリスト価格につきましては、個々の 学会との協議によって独自に設定されます。大学向けサイトライセンスのリスト価格は、NPGのLibrarian Gatewayでまもなく発表いたします。

2011年の新価格は、Nature ブランドのジャーナルについては2010年12月1日から、アカデミックジャーナルと学会機関誌については、2010年9月1日から適用されます。2012年の価格については、Nature ブランドのジャーナルもアカデミックジャーナルも、2011年10月1日から適用されます。したがって、2012年以降のリスト価格は、ブランドにかかわ らずすべての弊社刊行物について、前年の10月1日からの適用となります。これにより、弊社が発行するすべてのジャーナルの価格サイクルが統一されます。 弊社としましては、皆様の予算編成が円滑に進むように、改定価格をできるだけ早期に発表する予定です。2012年のリスト価格は、2011年4月に発表い たします。使用通貨は、これまでどおり地域に応じて、米ドル、英ポンド、ユーロ、円の4種類となります。

私たちは、弊社の刊行物が、今後も価格以上の価値を提供し続けられると自負しております。インパクトファクターは、ジャーナルの質や重要性、利用度の指標となっています。Nature は、3年連続で週刊科学ジャーナルNo. 1となり、2009年のインパクトファクターはこれまでで最高の34.480でした。さらに重要なことなのですが、最も被引用数の多い科学ジャーナルにも なりました(2009年の被引用数:483,039)。NPGの強力なポートフォリオには、Nature を筆頭に、各分野で第1位のジャーナルが15誌含まれています。その1つであるNature Geoscience は、今年、初年度インパクトファクター8.108を獲得しました。こうしたインパクトファクターには、弊社のジャーナルが研究論文の投稿先として多くの研 究者から選ばれ、エディターたちがそうした中から非常に重要で価値ある論文を選び抜き、できるだけ幅広い読者に向けて伝えることに努力し成功していること が反映されています。もちろん、優れた論文著者やレフェリーと共同作業ができる幸運にめぐまれていることも忘れてはなりません。

今年4月には、電子版限定ではありますが、オープンアクセスのオプションのある「ハイブリッド型」総合ジャーナル、Nature Communications が創刊されました。Nature Communicationsでは、著者が出版処理料金(article processing charges;APC)を払えばその論文は無料公開されます(それ以外は定期購読になります)。Nature Communications に投稿された論文原稿は7月に1000本以上になり、掲載論文数も年末までに100本を超える見通しです。これまでのところ、オープンアクセスを選んだのは、全体の40%です。これに対する研究界からの反応はよく、非常にうれしく思っております。

弊社のオープンアクセスプログラムは、今後も成長し続けます。弊社が保有する15誌すべてを含む、50誌のアカデミック ジャーナルの50%で、オープンアクセスのオプションが選べるようになりました。また、弊社が学会のために発行しているジャーナル7誌でもオープンアクセ スのオプションがあり、今年末までに他の学会機関誌にも拡大する予定です。また、今年1月にはオープンアクセスジャーナル「Cell Death & Disease」が、7月には「Nutrition & Diabetes」、「Clinical & Translational Gastroenterology」が創刊され、年末までにさらに増える予定です。

弊社は、オープンアクセス収入の効果を受け、サイトライセンス価格を大幅に値下げした初めての出版社の1つです。 2009年の値下げ幅は、出版処理料金による収入分を大きく上回っています。今年3月に確認されたオープンアクセス価格方針に従い、オープンアクセスオプ ションのあるすべてのジャーナルの2012年のサイトライセンス料金は、定期購読向けコンテンツの量と編集作業レベルの違いによって決まります。

弊社のリベラルな自社アーカイブに関する方針と無料の論文預託サービスは、弊社のオープンアクセス制度と著者サービスの重要な一部です。弊社は、2008年7月以降、PubMed Central(PMC)とUKPMCに2400本以上の論文原稿を預託しています。

弊社では、読者に対するサービスの質を高めようと、努力しております。今年2月には、弊社ウェブサイトnature.comiPhone用アプリケーションを 試用公開しました。これに対する反響は大きく、既に3万6000人以上の方がダウンロードされています。今年の終わりまでには、アップグレード版を導入 し、Natureブランドのジャーナル各誌でiPad用アプリケーションを導入する予定です。さらに、nature.comでは、各ジャーナルでの論文表 示や検索などの各種機能の改良を行っており、図版画像の新機能や電子書籍フォーマットであるEPUBファイルなどが加わりました。

Scientific American が完全に弊社と事業統合して1年になります。弊社では、Scientific American の将来に向けた事業活動と投資を行ってまいりました。Scientific American の法人向け料金については、不本意ながら、一部、難しい決定をせざるを得ず、図書館関係者の皆様からご批判をいただいこともありました。しかし、全体的に みれば、経営は強化され、現在は事業発展のために多額の投資を行っています。また新しい編集長(Editor-in-Chief)にはMariette DiChristinaが、エグゼクティブエディターにはFred Guterlが就任し、諮問委員会の規模も拡大されました。

弊社は、NatureScientific American という2つの主力誌をさらにレベルアップさせるため、精進してまいります。NatureScientific American に関して、この1年間に寄せられた読者からのご意見やアンケート調査の結果を保管しております。このようなデータは、両誌の発展に役立ち、ひいては、印刷 版、電子版、モバイル版のいずれの媒体の読者の利益にもなる必須なものです。今後計画している変更点についても、読者をはじめ多くの方々の意見をいただき たいと思っております。

2011年には、2つの新たな学際的ジャーナルがNatureブランドに加わります。4月に創刊予定のNature Climate Change は、物理科学と社会科学にわたる優れた原著論文を掲載します。これは、Nature ブランドのジャーナルとしては、初めて社会科学分野における査読論文を掲載するジャーナルとなります。また、2011年10月には、Nature Biomedical Engineering を創刊し、生物学者と技術者を結びつけて、生物医工学の幅広い分野をカバーする論文を掲載いたします。

弊社は、論文著者、読者、図書館関係者に対し、よりよい品質で、より高い価値のある科学記事や論文を、より幅広い選択性 で提供できるように努めております。これからも、編集基準を強化し、オープンアクセスのオプションを提供して、新技術の導入を行い、図書館コミュニティー におけるパートナーである皆様と協力して、科学と研究者のために活動を続けてまいります。最後になりますが、皆様の日頃からのご支援に心から感謝しますと ともに、今後も変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

ネイチャー・パブリッシング・グループ
マネージングディレクター
スティーヴン・インチクーム

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
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