Nature

Cover Story: 降雪を左右するもの:熱帯域の海水温に起因する降雪量の増加で、南極の氷の質量が一時的に増加した

Nature 656, 8129 (2026年8月27日)

過去数十年間、南極氷床は気候変動の結果として着実に質量を失ってきた。しかし2021〜2023年に意外なことが起きた。氷の減少速度が劇的に鈍化し、東南極では実際に氷質量が大幅に増加したのである。今週号ではQ Dingたちが、この直感に反する事象の説明を提示している。著者たちは、南極と、熱帯暖水域(太平洋とインド洋にまたがる水域)の海面水温の持続的な上昇との間に、大気を介したつながりが存在することを見いだした。異常に暖かい熱帯の海水は、大気中に高気圧域と低気圧域が交互に並ぶ波列を形成し、それが極方向へと伝播した。これによって東南極上空に高気圧偏差が生じ、降雪量が増加し、これが氷質量の増加を駆動した。しかし研究チームは、この質量増加は一時的なものに過ぎない可能性が高く、世界の温暖化に伴って氷質量の正味の減少は続くと指摘している。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

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