注目の論文
地球の地殻から地表へ泡で浮上する金属
Nature Geoscience
2015年2月24日
Metals floating on bubbles from Earth’s crust to surface
深部マグマだまりの金属と硫黄は蒸気の泡に乗って地球表面へ浮上している可能性があるという報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究で見つかったメカニズムは、地球史で最大の大量絶滅である、二畳紀/三畳紀大量絶滅事件の際に、マグマから大気へ大量のニッケルが輸送されていることを説明できるかもしれない。
地球の地殻内部深部マグマの一部は、金属と硫黄を含んだ硫化物溶解物からできていることがある。銅や金などの金属は、地殻浅部に蓄積されて豊富な鉱床を形成し、硫黄は火山噴火で放出されると気候に影響を及ぼす。しかしながら、硫化物の溶解物は、密度が高くマグマだまりの底に沈むと考えられるので、金属と硫黄がどのようにして浅部まで移動するかはよく分かっていない。
James Mungallたちは、室内実験と理論的モデルを用いて蒸気の泡を多く含んだマグマ中における硫化物の溶解物の振る舞いを解析した。彼らは、硫化物の溶解物の小さな液滴が、蒸気の泡に付着し、泡の浮力を用いて上方に浮いてくることを発見した。このメカニズムは、金属が浅部地殻へ移動して鉱床を形成するための道筋を説明できるだけでなく、大量の硫黄が大気へ放出される過程も説明できる可能性がある。
doi: 10.1038/ngeo2373
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