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バイオ燃料からガソリンへの転換に伴うサンパウロのオゾン汚染の減少

Nature Geoscience

2014年4月29日

Drop in Sao Paulo ozone pollution with switch from bio-fuel to gasoline

亜熱帯巨大都市であるブラジルのサンパウロで、ガソリンを燃やす二元燃料の乗り物のシェアが14%から76%に上昇し、エタノール燃料の利用が約4分の1になったときに、局所的なオゾン量は20%減少したとの報告が今週のオンライン版に掲載される。燃料の利用が変化したのは2009年と2011年の間に相対的な価格が変動したことが引き金となっており、ガソリンの利用が増えたことはオゾン汚染を減少したばかりでなく、地域の大気中の窒素酸化物と一酸化炭素の増加をももたらしたことが、この研究によって明らかになった。

Alberto SalvoとFranz Geigerは、燃料の売り上げと消費者の調査に基づいて、燃料がエタノールからガソリンへとシフトしたことによる変化の大きさを見積もった。それから、彼らは交通量、気象学および汚染物質濃度の測定に基づいて空気の質への影響を評価し、局所的なオゾン量の顕著な減少は相対的なガソリン使用量の増加に伴って起きたことを見つけた。しかしながら、彼らは彼らのデータがサンパウロ都市圏に限定されており、燃料利用の効果は局所的な大気組成、特に微粒子などの他の大気汚染物質に依存している可能性があると述べている。

関連するNews & Viewsの記事で、Sasha Madronichは、「ここで提示されている実証分析は最も信頼できる基準としてみなされるべきである」と述べている。

doi: 10.1038/ngeo2144

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