注目の論文
氷期に増加した南極の水銀沈着量
Nature Geoscience
2009年6月15日
Enhanced polar mercury deposition during glacial intervals
大気中から南極の氷床表面に沈着した水銀の量は、氷期の最も寒冷な時期のほうが、温暖な時期よりもはるかに多かった、とNature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。このことは、極域が、現在と同様に、大気水銀の重要なシンクの1つだったことを示唆している。
P Gabrielliらは、最新の解析手法を用いて、EPICA(南極における欧州合同氷床コア掘削計画)ドームC氷床コアから得られた氷の水銀濃度を測定した。この解析結果は、過去67万年間をカバーしており、水銀濃度が最も高かったのは、最も寒冷な時期とダストの最も多い時期だった。Gabrielliらは、温度が低いと、ダスト、大気中の海塩粒子と大気水銀の反応が活発化し、水銀が表層雪に運ばれる、とする見方を示している。
doi: 10.1038/ngeo549
注目の論文
-
6月5日
気候:海と大気の相互作用が2023年の北大西洋熱波をもたらしたNature
-
6月5日
気候変動:干ばつの深刻化を招く要因の評価Nature
-
6月3日
天文学:天の川銀河はアンドロメダ銀河との衝突を回避できるかもしれないNature Astronomy
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月23日
気候変動:ペンギンの糞が南極の気候変動の影響を軽減するかもしれないCommunications Earth & Environment