注目の論文
エアロゾルとその下の雲が温暖化をもたらす
Nature Geoscience
2009年2月23日
Aerosols and underlying clouds lead to warming
大気頂部で集められるエアロゾルは、その下に雲があるときには温暖化に対して大きな影響を及ぼす、とNature Geoscience(電子版)に発表される論文が示唆している。植物体の燃焼によって生成されるエアロゾルは、太陽放射を反射したり吸収したりすることで、地球の放射平衡に変化をもたらす。全体として温暖化になるか寒冷化になるかは、その下の表面の反射率に依存する。
D Chandらは、人工衛星データを用いて大西洋南東部の上に運ばれるエアロゾルの温暖化効果を定量化した。彼らは、エアロゾル層の下にひろがる雲の領域が大きいほど、エアロゾルが大気を加熱する割合も大きいことを発見した。この関係はほぼ線形で、エアロゾルが全体として寒冷化に働く状況から、全体として温暖化に働く状況に転換する臨界点を定義することを可能としている。彼らは、このエアロゾルとその下の雲との関係を考慮すると、地域的な温暖化はこれまで予測されていたものよりも3倍大きくなる、と見積もっている。
doi: 10.1038/ngeo437
注目の論文
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature
-
6月26日
天文学:新惑星の発見が宇宙の知識の空白を埋めるNature
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月20日
環境:化石燃料の埋蔵量を植林で相殺するには「克服しがたい課題」があるCommunications Earth & Environment
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature