注目の論文
湿潤な火星の再検討
Nature Geoscience
2012年9月10日
Moist Mars revisited
火星の粘土は水を豊富に含む溶岩流から形成された可能性があると、今週号のNature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。この発見は、この粘土が火星初期に温暖で湿潤な気候が存在した証拠を提供するという示唆に対して異議を申し立てるものである。
Alain Meunier等は、フレンチポリネシアで水を含んだ溶岩から直接形成された粘土鉱物の分光特性を分析した。彼らは、粘土の分光特性はマーズ・リコネッサンス軌道船が測定した火星の粘土のものと似ていることを示した。この発見は、火星の粘土がこれまで考えられていたように表面の岩石が液体の水により風化を受けて形成されたのではなく、水を含んだ火山の溶岩から形成された可能性があることを示唆している。火山性の起源に対するさらなる証拠は、火星の粘土と火星表面の溶岩流、および地球で見つかった火星起源の隕石の粘土鉱物化学組成との間に関連性があることからも提示されている。
関連したNews and Viewsの記事でBrian Hynekは次のように書いている、「このような結果は、初期の火星は地球の生命が確立した時期にはこれまで考えられていたように住むのに適した環境ではなかった可能性があることを示唆している。」
doi: 10.1038/ngeo1572
注目の論文
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature
-
6月26日
天文学:新惑星の発見が宇宙の知識の空白を埋めるNature
-
6月25日
ゲノミクス:古代 DNA がカルパチア盆地の多様なコミュニティー組織を明らかにするNature Communications
-
6月20日
環境:化石燃料の埋蔵量を植林で相殺するには「克服しがたい課題」があるCommunications Earth & Environment
-
6月19日
動物行動学:蛾の航行は星空に導かれているNature
-
6月19日
気候変動:気候変動が作物生産に与える影響を評価するNature