注目の論文
【情報理論】経済力のある国では過去より未来に関するグーグル検索が多い
Scientific Reports
2012年4月6日
Information theory: Strong economies ask Google about the future
一人当たり国内総生産(GDP)の高い国々のインターネット利用者は、過去より未来に関する情報を検索する頻度が高いことがわかった。これは、グーグルの検索クエリーの定量的分析によって導き出された結論であり、オンラインでの行動と現実世界の経済指標が関係している可能性を示している。この研究結果を報告する論文が、今週、Scientific Reportsに掲載される。
インターネットやそのほかの技術システムの利用が増えると、ますます大量のデータが生成されるが、その実証的分析を行うと(インフルエンザの大流行から株式市場の出来高までの)現実世界の社会現象に関する手がかりが得られる。今回、T Preis、H S Moat、H E StanleyとS R Bishopは、45か国のインターネット利用者による2010年中のグーグルの検索クエリーを調べて、翌年(2011年)に関する検索量と前年(2009年)に関する検索量の比率を算出し、この比率を「future orientation index(未来志向指数)」と名づけた。次に、各国について、この指数と一人当たりGDPを比較したところ、グーグル利用者が将来に関する検索をより頻繁に行う国で一人当たりGDPが高くなる傾向が強く見られた。
この結果は、1つの国の経済的繁栄とその国民のインターネット上での情報探索行動との間に一定の関係が存在している可能性を示唆している。
doi: 10.1038/srep00350
注目の論文
-
6月5日
気候:海と大気の相互作用が2023年の北大西洋熱波をもたらしたNature
-
6月5日
気候変動:干ばつの深刻化を招く要因の評価Nature
-
6月3日
天文学:天の川銀河はアンドロメダ銀河との衝突を回避できるかもしれないNature Astronomy
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月23日
気候変動:ペンギンの糞が南極の気候変動の影響を軽減するかもしれないCommunications Earth & Environment