注目の論文
ペルム紀における海洋生物多様性の減少
Nature Communications
2011年2月23日
Marine biodiversity loss in the Permian
生物多様性は、いくつかの危機に直面した後、最終的にはペルム紀末期に起こった有名な大惨事により、全球規模で海洋生物種の約90%が死滅した。今週、Nature Communicationsに掲載される論文では、この大惨事に先立って酸素含有量の少ない水塊が表層に移動し、ペルム紀後期に海洋生物が死滅した、という見方が示されている。この考え方は、最終的な絶滅に至るまでに海洋環境が長期にわたって悪化していたことを示唆している。
今回Shenらは、中国南部で出土した堆積岩から硫黄同位体比シグナルが検出されたことを報告している。低酸素高硫黄の水塊は、通常は、深海に分布しているが、Shenらの報告は、この水塊が表層付近に流入したことを示唆している。この水塊によって、海洋生物や生物擾乱を引き起こす生物が減少し、著しい生物多様性の減少が起こったと考えられる。
doi: 10.1038/ncomms1217
注目の論文
-
6月5日
気候:海と大気の相互作用が2023年の北大西洋熱波をもたらしたNature
-
6月5日
気候変動:干ばつの深刻化を招く要因の評価Nature
-
6月3日
天文学:天の川銀河はアンドロメダ銀河との衝突を回避できるかもしれないNature Astronomy
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月23日
気候変動:ペンギンの糞が南極の気候変動の影響を軽減するかもしれないCommunications Earth & Environment