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大気中を流れる川は、海岸地域の極端気象現象と関連していた

Nature Geoscience

2017年2月21日

Atmospheric rivers linked to coastal weather extremes

大気中を流れる川(大気中を輸送される細長く高い水蒸気量をもつ流れ)は、中緯度の海岸で極端な風と降雨あるいは積雪の事象のうち最大75%と関連性があるという研究報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究は、大気中を流れる川は、強風や大量の降雨および洪水の可能性により、顕著な全球の災害と対応していることを示唆している。

大気中を流れる川は、これまで洪水や極端な降雨および降雪などの多くの地域的な水文学的極端現象と関連付けられてきた。しかしながら、極端な風におけるその役割についてはあまり注意が払われておらず、これまで全球的規模ではその影響について系統的に調べられてこなかった。

Duane WaliserとBin Guanは、全球で検出するアルゴリズムを1997年~2014年の期間における大気条件の再現と共に用いて、大気中を流れる川の全球的な影響を定量化した。彼らは、最も極端な2%の風と降雨および降雪事象のうち、最大でその半分は、大気中を流れる川と関連していることを見つけた。カナダ西部、ヨーロッパ北部、ニュージーランドおよび南アメリカ南部では、大気中を流れる川が年間およそ30~35日発生している。1979年~2003年のヨーロッパにおける風災害による多額な保険損失(10億米ドル以上)に関する彼らの解析は、最大の損失を出した19件の事象のうち14件は大気中を流れる川と関連していたことを明らかにしている。

doi: 10.1038/ngeo2894

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