注目の論文
腫瘍抑制機能を始動させるスイッチ
Nature Communications
2012年2月8日
Switching on a tumour suppressive function
受容体タンパク質EphB3のキナーゼ活性のスイッチが入ると、EphB3が腫瘍形成因子から腫瘍抑制因子に変わることがわかった。この新知見は、肺がんの新しい治療法をもたらす可能性がある。研究成果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。 肺がんは、世界の主要ながん関連死因の一つだ。なかでも非小細胞肺がんの場合には、ほとんどの患者が1年以内に死亡しており、その主たる理由は、腫瘍が他の臓器に転移しやすいことだ。今回、D Xieたちは、受容体EphB3のキナーゼ活性がそのリガンドによって活性化すると、非小細胞肺がんの転移能が抑制されることを明らかにした。また、Xieたちは、EphB3の新たな相互作用相手として、RACK1タンパク質を同定した。RACK1は、キナーゼの活性化とその腫瘍抑制機能を促進する。このことは、受容体EphB3のキナーゼ機能を活性化する方法を発見することが、非小細胞肺がんの転移を抑制するうえで有用となる可能性を示唆している。非小細胞肺がんは、肺がん全体の約80%を占めている。
doi: 10.1038/ncomms1675
注目の論文
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour
-
4月8日
代謝:寒い季節の妊娠で生まれた人は褐色脂肪組織の活動が活発になるかもしれないNature Metabolism
-
4月3日
医療:小型ペースメーカーが低侵襲移植を可能にするかもしれないNature