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健康:腸内細菌叢の変化はパーキンソン病への進行を示しているかもしれない

Nature Medicine

2026年4月21日

Health: Gut microbiome changes may show progression towards Parkinson’s disease

Nature Medicine

パーキンソン病のリスク増加と関連するGBA1(Glucosylceramidase Beta 1;グルコシルセラミダーゼベータ1)遺伝子の変異を持つ人々では、腸内細菌種の約4分の1で構成の変化が認められ、こうした変化が将来的な発症リスクの高さを示している可能性があることを報告する論文が、Nature Medicine にオープンアクセスで掲載される。この発見は、パーキンソン病に関連する特定の生物学的変化が、臨床症状が現れる前にすでに生じている可能性を示唆しており、病気の発症の初期段階にある個人を特定する手がかりとなるかもしれない。

パーキンソン病は、運動症状と非運動症状を特徴とする神経変性疾患であり、多くの場合、著しい神経細胞の喪失が生じてから初めて症状が現れる。確立されたパーキンソン病だけでなく、診断に先立って微細な症状が現れる前駆期においても、腸内細菌叢の変化がみられることを示唆する証拠が増えつつある。こうした変化を理解することは、リスクの高い個人をより早期に特定するための新たな機会をもたらす可能性がある。

Anthony Schapira、Stanislav Dusko Ehrlichら(ユニバーシティ・カレッジ・ ロンドン(UCL)クイーン・スクエア神経学研究所〔英国〕)は、英国とイタリアの参加者から得られた臨床データおよび便サンプルのデータを分析した。対象は、パーキンソン病患者271名、臨床症状のないGBA1変異(遺伝的リスク因子)保有者43名、および健常対照群150名である。その結果、健常者と患者の間で異なる176種の微生物が確認され、腸内マイクロバイオームの4分の1以上で両群間の存在量が変化していた。これらの種のうち、142種は、健常者とGBA1変異を保有するがパーキンソン病の症状がない人との間で一貫して変化が見られた。パーキンソン病を発症していないGBA1変異保因者において、このマイクロバイオームの構成は、健常群と患者群の中間的な特徴を示し、その程度は初期症状と相関していた。著者らは、米国、韓国、およびトルコの3つの外部コホートにおいても同様の微生物パターンを観察しており、これらには追加で638例のパーキンソン病患者と319名の健常な対照参加者が含まれていた。

これらの知見は、GBA1遺伝子変異を保有しているがまだ症状が現れていない人々において、特徴的な腸内細菌パターンを特定したものであり、パーキンソン病に関連する早期の生物学的変化を示唆している。ただし、著者らは、本研究が横断研究であるため、マイクロバイオームの変化が将来の疾患を予測し得るかどうかを判断することはできないと指摘している。マイクロバイオームがパーキンソン病を発症する可能性が最も高い人々を確実に特定できるかどうかを確立するには、個人を長期にわたり追跡する縦断研究が必要となる。

Menozzi, E., Ren, Y., Geiger, M. et al. Microbiome signature of Parkinson’s disease in healthy and genetically at-risk individuals. Nat Med (2026). https://doi.org/10.1038/s41591-026-04318-5
 

doi: 10.1038/s41591-026-04318-5

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