注目の論文
ジカウイルスに対する治療薬候補の発見
Nature Communications
2017年7月26日
Potential treatment against Zika virus
ジカウイルスに感染した妊娠マウスとマウス胎仔の体内のウイルス濃度を下げるジカウイルス阻害剤が同定され、妊娠マウスに安全に使用できることが明らかになった。この新知見は、この阻害剤の前臨床開発をさらに進めるかどうかを検討する余地のあることを示している。この研究成果について報告する論文が、今週掲載される。
ジカウイルスは、ウイルスに感染した妊婦から胎児に感染し、出生異常を引き起こす可能性がある。現在のところ、ジカウイルス感染の治療用に承認されたワクチンも薬剤もない。今回、Shibo Jiangたちの研究グループは、ジカウイルス粒子を不活性化して細胞への侵入を防ぐ薬剤候補を同定した。そして、この研究では、この薬剤候補が妊娠マウスから胎仔へのジカウイルス感染を減らすことが明らかになった。また、この分子を妊娠マウスに投与したところ、妊娠マウスにも胎仔にも有害作用はなかった。
この阻害剤のヒトにおける安全性と有効性を評価するためには今後の研究が必要だが、ウイルス粒子を不活性化する方法は、リスクの高い集団(特に妊婦)におけるジカウイルス感染の新たな治療法の開発に利用できる可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms15672
注目の論文
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour
-
4月8日
代謝:寒い季節の妊娠で生まれた人は褐色脂肪組織の活動が活発になるかもしれないNature Metabolism
-
4月3日
医療:小型ペースメーカーが低侵襲移植を可能にするかもしれないNature