注目の論文
ソーシャルネットワークは死の痛みを和らげる
Nature Human Behaviour
2017年4月25日
Social networks resilient to death
オンラインのソーシャルネットワークは、大切な人を亡くした悲しみを和らげ、人を立ち直らせることが、今週のオンライン版に掲載された論文で報告された。研究では、人が喪の期間において、他者と支え合う交流のパターンをどのように変えていくかが明らかとなった。
死別の経験が家族の社会的な支援ネットワークの構造に及ぼす影響は、数十年にわたって調べられてきた。そうした研究は、社会的孤立や、支援ネットワークの果たす役割について考える上で重要である。しかしながら、友人の社会ネットワークの反応については、これまでほとんど分かっていなかった。
William HobbsとMoira Burkeは、オンラインソーシャルネットワークのデータを使って、死別経験が人の社会構造に及ぼす影響を過去にない規模で調べた。具体的には、死別を経験した約15,000の非特定化されたフェイスブック上のネットワークの解析を行った。死別前後におけるユーザー間の交流のトラフィックを解析した結果、故人をめぐる他のネットワークユーザーとの交流は、故人が亡くなった後に減るのではなく、むしろ増え、少なくとも2年間にわたって高いままであることが判明した。そしてこの影響は特に18~24歳のユーザーのネットワークにおいて顕著であった。
同時掲載のNews & Views記事ではRobert Bondが、「残された人たちのネットワークにみられる交流の増加は、人々が交流のパターンを、悲しみに暮れている人を積極的に支援するように変えていくことを示唆している」と述べている。
doi: 10.1038/s41562-017-0092
注目の論文
-
4月22日
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
4月17日
神経学:パーキンソン病に対する幹細胞治療の安全性を臨床試験によって実証Nature
-
4月15日
生体医工学:視覚障害者の移動を支援するウェアラブルAIシステムNature Machine Intelligence
-
4月15日
健康:テクノロジーの活用が高齢期の認知機能低下リスクを軽減するかもしれないNature Human Behaviour
-
4月8日
代謝:寒い季節の妊娠で生まれた人は褐色脂肪組織の活動が活発になるかもしれないNature Metabolism
-
4月3日
医療:小型ペースメーカーが低侵襲移植を可能にするかもしれないNature