注目の論文
物質の世界を効率よく遊泳する
Nature Chemical Biology
2009年6月29日
Efficiently moving through chemical space
物質の世界を道案内してくれる新たな使いやすいソフトウェアツールと、効率の高い薬物リード化合物の同定に対するこのツールの応用例が、Nature Chemical Biology(電子版)の2本の論文で紹介される。
物質の世界 ― ありうる化学的分子の総体― は巨大であり、さまざまな物質が互いにどう関係しているのかを手早く理解することが容易でない場合がある。関連する化学構造とそれに伴う生物活性とのつながりを深く理解することは、新薬のリード化合物の効率的な同定に役立つと考えられる。
H Waldmannたちは、複雑な化学構造から「枝」が出て徐々に単純な化学的要素に分解されていく樹を作り出すコンピュータソフトウェアプログラムを開発した。生物活性データ(大きなライブラリーの中のどの物質がある特定の酵素を阻害するのかなど)を利用してそのような物質の樹を作り出すことにより、特定の薬物標的に関して既知の阻害剤と化学構造が大幅に異なる新しい阻害剤が見いだされた。
doi: 10.1038/nchembio.187
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