Research Press Release
英国で夏の降水量が増加
Nature Climate Change
2014年6月2日
英国南部では夏季に短時間の降雨事象が強まるという予測を示した論文が、今週のオンライン版に掲載される。この予測は、英国気象庁および環境局洪水予報センターの、深刻な鉄砲水に関する指針値を超える事象が増加することを意味する。
Elizabeth Kendonたちは、気象予報で一般的に使われているモデルを用い、英国南部での1時間ごとの降水量の変化を調査した。この高解像度モデル(格子間隔1.5 km)では、降水事象および降水強度を1時間の時間スケールで予測できる。
このモデルにより、解像度がより粗いモデルと、冬季の降水量増加に関するこれまでの知見から得られた予測が確認された。しかし、粗いモデルでは温暖化による夏季の豪雨の変化を予測できなかったが、高解像度モデルでは局所的な暴風雨の力学の正確な表示を用いて予測することができた。
doi:10.1038/nclimate2258
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
-
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
