【遺伝】ヒョウタン製の容器から採取されたDNAはフランス国王ルイ16世のものではなかった
Scientific Reports
2014年4月24日
このほど、フランス国王ルイ16世のものとされる血液サンプルのDNAについて、全ゲノム概要塩基配列が明らかになり、本人のものでない可能性が非常に高くなった。今回の研究では、遺伝子配列解読によって過去の時代に関する新知見が得られる可能性が明確に示されている。研究結果を報告する論文が、今週掲載される。
フランス革命期の装飾されたヒョウタン製の容器の表面には、1793年に断頭台で処刑された直後のルイ16世の血液に浸したハンカチが入っていたという記述がある。ところが、最近行われたルイ16世の現存する子孫の遺伝的解析の結果から、この容器の中身が本当にルイ16世のものかが疑わしくなっていた。
今回、Carles Lalueza-Foxたちは、このヒョウタン容器から採取されたDNAについて、低カバー率の全ゲノム塩基配列解読を行った。その結果、このサンプルの採取元の祖先とルイ16世の既知の祖先が一致しないと判断された。それに加えて、ルイ16世は非常に背が高かったことが知られており、例えば、宮廷で一番背が高いと記述されることが多く、戴冠式用マントも背の高いことを示していたのに、今回解読されたゲノム塩基配列には、身長に寄与するアレルの過剰がなかった。また、このゲノムの持ち主は茶色の目であった可能性が非常に高いとされるのだが、ルイ16世は青い目であったことが知られている。
今回の研究で得られたデータは、従来の法医学的手法で得られるデータよりも正確に祖先と表現型を推定できる。今回用いられた血液サンプルに基づく質の高いゲノム解読データに加えて、ブルボン家のルイ16世の近親者のゲノムデータが増えれば、このヒョウタン容器に入っていた血液サンプルがルイ16世のものだったのかという疑問に対して、もっと確度の高い答えを得るために役立つ可能性がある。
doi:10.1038/srep04666
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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