Research Press Release
漠の塵がインドの夏季モンスーン降雨を刺激する
Nature Geoscience
2014年3月17日
西アジアから来る砂漠の塵は、インドの夏季モンスーン降雨を刺激しているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この発見は、人間活動や自然の原因により砂漠からの塵放出が将来変化すると、インドの降雨に変化が起き得ることを示唆している。
Philip Raschたちは、人工衛星データと気候モデルシミュレーションを用いて、アラビア海、西アジアおよびアラビア半島にわたる砂漠の塵の量とインドの夏季モンスーン強度との間の関連性を検証した。彼らは、砂漠の塵の量はモンスーンの降雨強度と正の相関を示すことを発見した。モデルシミュレーションは、大気を加熱することで塵粒子はインド全体の水蒸気の流れを増加させ、その地域の降雨を刺激することを示している。
関連するNews & Viewsの記事でWilliam Lauは、「地球温暖化により砂漠や乾燥地域が拡大することが予想されているので、中東や北アフリカの砂漠からアジアモンスーン地域への砂漠の塵の輸送が増大し、モンスーンの降雨を強化するだろう」と述べている。
doi:10.1038/ngeo2107
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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