【気候科学】風力発電所の影響は過大評価されていた
Nature Communications
2014年2月12日
風力発電施設は地元地域の気候に大きな影響を及ぼし得るという主張を否定する研究報告があった。この新知見は、ヨーロッパの大部分で、風力発電所が気候に及ぼす影響(例えば、熱と降水量の増加)が非人為的な気候変化よりも相当に弱いことを示している。その詳細を報告する論文が掲載される。
気候変動への対処策として、全世界では過去10年間に風力発電所の数が急増し、陸上風力発電所の設備容量と風力発電所の密度はヨーロッパが最も高い。これに対して、風力発電施設の建設が強力に進められている地域では、風力発電施設によって、そこから数千キロメートル離れた地域での5日間天気予報が大きく変わることがあるという学説が示されている。しかし、大陸スケールでの研究は行われていなかった。
今回、Robert Vautardたちは、風力タービンと大気の相互作用を説明する高度な地域気候モデルを用いて、ヨーロッパの風力発電所が気候に与える影響を現在稼働中の全ての風力発電所(2012年の時点)と将来計画されている風力発電所(2020年の時点)の場合について分析した。その結果、風力発電所によって、ヨーロッパ全土で弱いもののロバストな高気圧性の気流が生じたが、その唯一の有意な影響は、冬季の1日の気温と降水量に対する影響であり、非人為的な年変動から予想される気候の変化よりもかなり弱いことが明らかになった。
風力は、気候変動への対処策の重要な要素の1つであり、今回の研究で得られた知見は、ヨーロッパにおける既存の風力発電所と将来的な風力発電所が地元の気候に及ぼす影響が最小限にとどまることを示している。
doi:10.1038/ncomms4196
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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