Research Press Release
【応用物理】人工皮膚の性能向上に役立つフレキシブルな圧力センサー
Nature Communications
2014年2月5日
現在最高性能のデバイスと同等の感度を実現し、大面積に使用できる可能性もあるフレキシブルな圧力センサーについて報告する論文が、今週掲載される。このデバイスは、低コストで簡便に作製できるため、人工皮膚などの現実のデバイスへの高性能フレキシブル圧力センサーの実装に一歩近づいた。
フレキシブルな圧力センサーは、関節運動から脈拍数に至るさまざまな圧刺激を測定する人工皮膚を可能にするデバイスで、大きな関心を集めている。ただし、これまでに発表された設計の多くは、複雑で高コストの製造方法が用いられており、現実世界での利用には制約があった。今回、Wenlong Chengたちは、金ナノワイヤー溶液を含浸させたティッシュペーパーを2枚の薄いポリマー電極の間に挟んだ構造のフレキシブル圧力センサーについて報告している。この圧力センサーの感度は、現在最高性能のセンサーと同等で、マイクロホンとして利用し、心拍モニタリングにも利用できることが実証された。重要なことは、Chengたちの設計によって、大面積のセンサーを簡便かつ低コストで作製でき、低消費電力も達成できることだ。
Chengたちのセンサーで、未来型電子デバイス(例えば、フレキシブルなタッチ・オン・ディスプレイ、ヒューマンマシンインターフェース装置、人工皮膚など)の実現に一歩近づいた。
doi:10.1038/ncomms4132
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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