Research Press Release
【化石】恐竜の出現期にサイに似た古代爬虫類が共同トイレを利用していた
Scientific Reports
2013年11月28日
大型草食性爬虫類の集団が、早ければ2億4,000万年前に共同便所を利用していた可能性があることが、今週掲載される論文で示唆されている。この発見は、哺乳類以外の脊椎動物に分類される巨大草食動物の共同便所を示す初めての証拠だ。
一部の哺乳類分類群は、複雑な排便行動をとり、複数の個体が「共同便所」と呼ばれる単一の比較的小さな領域で排便する。この共同便所には、いくつかの生態学的機能(個体間の情報伝達、病気の予防など)がある。巨大草食動物の中でこの行動が見られるのは哺乳類だけだと考えられているが、化石記録には、この行動の証拠がほとんど残っておらず、それも新生代後期に限定される傾向があった。
今回、Lucas Fiorelliたちは、アルゼンチン北西部の遺跡から出土した約2億4,000万年前の三畳紀中期のものとされる共同便所の証拠を示している。Fiorelliたちは、ディキノドン(サイに似た草食性哺乳類の祖先種)の集団が排泄した糞の化石が数百点発見されたことを報告している。この共同便所の化石は、これまで最古だった化石記録より2億2,000万年古く、哺乳類以外の脊椎動物のものとしては初めてだ。この新知見は、哺乳類型の排便と社会的行動が、哺乳類の遠縁種にもあったことを示唆している。
doi:10.1038/srep03348
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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