天文学:恒星の光を抑えて系外惑星を探す
Nature
2026年11月5日
従来の系外惑星撮像法の最大15倍の感度を持つ新たな検出手法を報告する論文が、Nature にオープンアクセスで掲載される。この手法は、機械学習アルゴリズムを用いて望遠鏡の観測データから恒星の光を除去し、将来の観測施設による地球に似た系外惑星の検出に役立つ可能性がある。
直接撮像は、系外惑星を観測する重要な手法だが、主星の明るい光に惑星が隠れてしまうことが多い。最も明るい若い巨大惑星でさえ、近赤外線での明るさは主星の約10万分の1である。この問題に対処する方法の一つは、観測データから主星の明るい光を差し引くことである。しかし、これまでは、観測施設の物理的な制約、または恒星光のモデル化における計算上の制約が、この処理を難しくしていた。
Rodrigo Ferrer-Chavezら(ノースウェスタン大学〔米国〕)は、「Physics-based Learning for Imaging Planets;FLIP(惑星撮像のための物理学にもとづく学習)」と呼ばれる画像処理フレームワークを報告した。FLIPは、対象となる恒星の明るい光をシミュレーションで再現する。この光を恒星系の直接観測データから安定して差し引くことで、恒星の光に隠れた系外惑星を明らかにできる。研究者らは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST:James Webb Space Telescope)の近赤外線カメラによる観測データでFLIPを検証した。その結果、標準的な手法では検出できないエリダヌス座51番星b(51 Eridani b)の画像を初めて取得することに成功した。ほかの試験では、FLIPの感度は、恒星の光を除去する標準的な手法の2~15倍だった。
著者らは、FLIPをJWSTの観測に用いることで、より低温の、より質量の小さい、またはより古い巨大惑星の特定に役立つ可能性があると指摘している。将来的には、地上の観測施設でも使えるよう、この手法を改良することも考えられる。また、構想中のHabitable Worlds Observatory(居住可能な世界観測所)などのミッションでは、地球に似た惑星の撮像にも役立つと期待される。ただし、今後の研究では、計算コストの削減と、より大量のデータを用いた検証に重点を置く必要がある。
- Article
- Open access
- Published: 04 November 2026
Ferrer-Chavez, R., Wang, J.J., Bouman, K.L. et al. Imaging exoplanets below the telescope stability limit. Nature 659, 58–62 (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-11213-z
Research Briefings: Faint exoplanets detected using computational approach to remove glare from stars
https://www.nature.com/articles/d41586-026-03295-6
doi:10.1038/s41586-026-11213-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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