神経科学:生後2ヶ月の乳児は視覚的に物体を分類できる
Nature Neuroscience
2026年2月3日
人間の赤ちゃんは、これまで考えられていたよりも早く、生後2ヶ月という早い段階で視覚的に異なる物体を分類できるかもしれないことを報告する論文が、Nature Neuroscience にオープンアクセスで掲載される。この発見は、複雑な視覚処理がこれまで考えられていたよりも早く発達することを示しており、乳児期の認知発達を理解する今後の研究手法に役立つかもしれない。
人間は、生後1年以内に物体を認識し、グループ分けする能力を身につけ、この過程が後の言語習得の基盤となる。しかし、脳内でこの能力が発達する時期は不明だった。これまでの研究は、注視時間などの行動指標に依存していたものの、低年齢では測定が困難だった。しかし、起きている状態の乳児における機能的脳画像法(fMRI:functional magnetic resonance imaging;機能的磁気共鳴画像法)の進歩により、研究者は初期発達段階における視覚機能の特性をより高い精度で把握できるようになっている。
Cliona O’Dohertyら(トリニティカレッジ・ダブリン〔アイルランド〕)は、大規模な縦断的fMRI研究を実施した。生後2ヶ月の乳児130名を対象とし、そのうち65名は生後9ヶ月時点でも追跡調査を受けた。比較対象として成人集団も含まれた。乳児は、生後1年間に一般的に目にする12種類の画像(動物、物体、および樹木など)を見せられ、その間の脳活動を計測された。著者らは、視覚処理経路(腹側視覚経路)全体の脳活動から対象物のカテゴリーを予測できた。これは、生後2ヶ月の乳児が物体を分類でき、9ヶ月までにその能力がさらに洗練されることを示している。具体的には、乳児の視覚野(visual cortex)および腹側側頭皮質(ventrotemporal cortex)における物体カテゴリーの表象は、生物か無生物か、また、大きさによる区別においても、成人と類似していた。これは、乳児の視覚的鋭敏さや世界への経験が限られているにもかかわらず観察された現象である。
この結果は、乳児期の視覚発達に関するこれまでの理解に疑問を投げかけ、初期の皮質組織化が経験によって形成される部分と、生まれつき備わっている部分の程度について新たな問いを投げかけている。
- Article
- Open access
- Published: 02 February 2026
O’Doherty, C., Dineen, Á.T., Truzzi, A. et al. Infants have rich visual categories in ventrotemporal cortex at 2 months of age. Nat Neurosci (2026). https://doi.org/10.1038/s41593-025-02187-8
Research Briefing: Studying infant vision in the scanner and in silico reveals the richness of early brain function
https://www.nature.com/articles/s41593-025-02198-5
doi:10.1038/s41593-025-02187-8
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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