ゲノミクス:AlphaGenomeはDNA変異の影響を予測する
Nature
2026年1月29日
AlphaGenome(アルファゲノム)という最大100万塩基対に及ぶ長いDNA配列の機能を予測できる深層学習モデルを報告する論文が、今週のNature にオープンアクセスで掲載される。本ツールは、DNA配列の変異がさまざまな生物学的プロセスに与える影響を予測できる。AlphaGenomeは、遺伝性疾患のさらなる理解、より高度な遺伝子検査、および新たな治療法の開発の指針として活用されることが期待される。
遺伝的変異は、生物学的過程に影響を与え、疾患の一因となり得るが、DNA配列の変化がその機能にどう影響するかを理解するのは困難である。変化の大半(約98%)は、非コード領域(タンパク質をコードしないが遺伝子発現に影響を与えるDNA部分)で発生するため、その効果を予測するのは難しい。この問題を解決するには、計算モデルが必要である。これまでの手法は、配列の長さと予測精度の間でトレードオフが生じるが、AlphaGenomeは長いDNA配列にわたって高解像度の予測を行える。
Google DeepMind(英国)のŽiga Avsec、Natasha Latysheva、Pushmeet Kohliらは、AlphaGenomeの能力を実証した。本モデルは、ヒトとマウスのゲノムを用いて訓練され、DNA配列がさまざまな生物学的過程にどう影響するかを学習する。AlphaGenomeは、遺伝子発現、スプライシング(ゲノムの切断と再構成)、およびタンパク質修飾といった特定機能に関連する、ヒト5930個またはマウス1128個の遺伝的シグナルを同時に予測できる。変異効果予測の26の評価項目中25項目において、既存の最先端モデルと同等かそれ以上の性能を示した。その強みは、多様な遺伝的シグナルと生物学的結果について複数の予測を同時に実行できる点にあると著者らは指摘する。
著者らは、本ツールの応用範囲を拡大するため、対象種の範囲拡大やモデルが認識する非コード配列の範囲拡張など、さらなる改良が可能だと記している。AlphaGenomeは、DNA配列変異の複雑な生物学的結果に関する理解を深める可能性を秘めていると結論づけている。
- Article
- Open access
- Published: 28 January 2026
Avsec, Ž., Latysheva, N., Cheng, J. et al. Advancing regulatory variant effect prediction with AlphaGenome. Nature 649, 1206–1218 (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-025-10014-0
doi:10.1038/s41586-025-10014-0
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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