物理科学:タコに着想を得た擬態皮膚の設計
Nature
2026年1月8日
質感と色調の両方を変化させられる新型人工皮膚を報告する論文が、Nature に掲載される。この技術は将来、カモフラージュ、ソフトロボティクス、および高度なディスプレイ技術に応用できる可能性がある。
物体の見た目は、色と質感によって決まるものの、これらの特性を独立してオンデマンドで切り替えられる表面の創出は困難であった。タコなどの動物が皮膚の外観を変えられることに着想を得て、Mark Brongersmaら(スタンフォード大学〔米国〕)は質感と色を変化させるようプログラム可能な薄膜を開発した。初期状態では、平坦で無地の素材だが、水にさらされると膨らみ、模様と色が現れる。
著者らは、電子ビームでフィルムにパターンを「書き込む」手法を用い、色彩効果を生み出す光学層を追加した。これらの変化は、高速で発生する(大半の色彩変化は20秒未満)。また、材料は性能を損なうことなく、数百回の切り替えが可能である。さらに、皮膚のどちら側が液体に接するかに応じて、色と質感を独立して制御できる点も特徴的である。
現時点では、各デバイスが1つのパターンしか表示できないが、将来のバージョンではより多くのパターンを表示可能となり、電子制御が可能で、より大規模な製造が実現できると著者らは示唆している。「色と質感に対するこの二重の独立制御は、自然界で最も洗練されたカモフラージュシステムの一つを生み出す」と、Benjamin RenzとNa Liuは、同時掲載されるNews & Viewsで述べている。
- Article
- Published: 07 January 2026
Doshi, S., Güsken, N.A., Dijk, G. et al. Soft photonic skins with dynamic texture and colour control. Nature 649, 345–352 (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-025-09948-2
News & Views: Artificial skin mimics the octopus’s art of disguise
https://www.nature.com/articles/d41586-025-03984-8
doi:10.1038/s41586-025-09948-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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