Research Press Release

風による北極海への淡水の蓄積

Nature Geoscience

2012年1月23日

北極海西部において観測されている過去数十年にわたる蓄積された淡水の増加は、風のパターンの蓄積に都合のよい変化と一致しているとの報告が寄せられている。淡水の蓄積が風により駆動されているならば、風のパターンの逆転は淡水を放出する可能性があり、地域的な海洋循環に対して影響を及ぼしうる。 K Gllesらは、1995年と2010年の間の北極西部における人工衛星海面高度測定結果から、きわめて急峻な水のドームとそれに対応する風のパターンの変化を見つけた。ドームは北極海西部の環状海流であるビューフォート渦と関連があり、急峻であることは渦が加速していることを示唆している。研究者は、約8,000立方キロメートルの淡水がこの加速によりビューフォート渦の中に蓄えられていると見積もっており、これは水路測量学的測定と一致している。

doi:10.1038/ngeo1379

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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