技術:モバイル機器でホログラフィック映像を見られるようにする薄型ディスプレイ
Nature Communications
2020年11月11日
広い視野角で高解像度の3D映像を見ることができる薄型のインタラクティブなホログラフィックディスプレイについて報告する論文が、Nature Communications に掲載される。将来的には、この技術によってモバイル機器にホログラフィック映像ディスプレイを組み込むことが容易になるかもしれない。
ホログラフィックディスプレイは、目に負担をかけずに実際の物体と一緒に見ることができる3D画像を空間に生成する。しかし、平面画像と比べて、ホログラフィック画像、特にホログラフィック映像の生成は難しく、画素数がはるかに多いデバイスを必要とする。薄型パネルで使用されている既存のホログラフィック技術では、ディスプレイの正面以外の角度で見るために十分な画素を制御できないため、ディスプレイを正面から直接見る場合にしか高解像度画像を生成できない。
今回、Lee Hong-Seokたちの研究チームは、3D映像の視野角を30倍に拡大できる薄型ディスプレイを開発した。既存の小型ホログラム技術に特殊なバックライトとバックライトの角度を変える機構を加えることで、厚さ1センチメートル未満という薄型のパネルでこれを実現した。Leeたちは、これに単一チップのカスタムプロセッサーを組み合わせて、3Dで遊泳するカメのフルスクリーンの4Kインタラクティブ映像を、広い視野角で見られるよう表示することに成功している。
このような薄型パネルでリアルなホログラムを生成する技術により、3Dディスプレイが、モバイル機器や家庭用電子機器に組み込まれる選択肢として、現実感を増している。
doi:10.1038/s41467-020-19298-4
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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