持続可能性:「ファストファッション」の環境コストを削減するために喫緊に必要な変化とは
Nature Reviews Earth & Environment
2020年4月8日
ファッション産業においてサプライチェーンの長期的な持続可能性を高めるには、ビジネスモデルを根本的に変える必要があり、その一例が「ファストファッション」からの緊急離脱という変革であると主張したKirsi Niinimakiたちの論文が、Nature Reviews Earth & Environment に掲載される。
ファッション産業は、航空産業に次ぐ巨大な公害産業であり、世界の環境汚染の最大10%の原因となっている。ファッション産業の環境影響に関する認識が高まっているにもかかわらず、ファッション産業は成長を続けており、その一因が、ファストファッションの台頭だ。ファストファッションは、安い製造コスト、頻繁な消費、短い使用期間に依存している。
この論文では、ファッション産業における生産から消費までのサプライチェーンの環境影響が明らかにされ、水消費量、化学汚染、二酸化炭素排出量、繊維廃棄物に重点が置かれている。例えば、ファッション産業は、年間9200万トン以上の廃棄物を生成し、1兆5000億トンの水を消費しており、開発途上国が先進国のために重荷を背負う形になっている。これらの影響は、ファッション産業の大改革(例えば、生産拡大の減速、サプライチェーン全体での持続可能な慣行の導入)が必要なことを浮き彫りにしているとNiinimakiたちは述べている。
この論文では、「スローファッションこそがファッションの未来だ」と結論付けられている反面、「このモデルに移行するためには、デザイナーとメーカー、さまざまなステークホルダー、最終消費者の創造性と相互協力が必要であることをシステム全体で理解する必要がある」とされる。繊維産業による質の高いクリーンテクノロジーへの投資、ファッション産業による新しい持続可能なビジネスモデルの開発、政策立案者による法律の改正などの手法の集積が必要だ。また、消費者も重要な役割を担っており、消費習慣を変え、ファッションの環境影響を考慮した高い価格を支払う覚悟をしておかなければならない。
doi:10.1038/s43017-020-0039-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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