【古生物学】初期の蠕虫様動物による「死の行進」
Nature
2019年9月5日
約5億5100万年~5億3900万年前に生きていた蠕虫様動物の化石を紹介する論文が、今週掲載される。この論文には、この動物が死ぬ直前に残した痕跡(mortichnium)の詳細が記述されており、この動物が運動性を有していたことが示されている。これまでのところ、この時代の動物種で、動く能力が備わっていたことが実証された例は非常に少ない。
動物に運動性が備わったのは、エディアカラ紀後期(約5億8000万~5億3900万年前)だったと考えられており、その証拠は、痕跡化石(痕跡、足跡、巣穴などの化石)によって得られている。しかし、少数の例外を除いて、どのような動物がこうした足跡を残したのかは分かっていない。
今回、Shuhai Xiaoは、中国南部の長江の峡谷にあるDengying層から出土した化石種Yilingia spiciformisについて記述している。Xiaoたちは、その化石を35点採集し、幅が約5~26ミリメートル、長さが最大27センチメートルで、約50個の体節からなる動物だったと推定している。また、13点の痕跡化石も発見され、体化石と直接つながったmortichniumの化石が含まれていた。このmortichniumは、その特徴(幅が25ミリメートルであることなど)からYilingia属動物の運動によって形成されたものであることが示されている。
今回の研究で得られた知見は、この時代の数多くの痕跡化石を残した動物の正体に関する手掛かりになると、Xiaoたちは結論している。
doi:10.1038/s41586-019-1522-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物多様性:サンゴ礁の食物連鎖が短縮されているNature
-
ロボティクス:新しいビジョンシステムは人間より速く動きを認識できるNature Communications
-
地球科学:地球の核には水素の海が存在する可能性Nature Communications
-
医学:大規模言語モデルが一般市民の医療に関する意思決定を改善しないかもしれないNature Medicine
-
スポーツ:試合日には「サッカー熱」が最高潮に達するScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:人工知能を活用した科学文献のレビューの改善Nature
