【持続可能性】空飛ぶクルマは持続可能な移動手段としてどの程度役に立つのか
Nature Communications
2019年4月10日
「空飛ぶクルマ」として一般に知られる電動垂直離着陸機(VTOL)が、将来的には、数人が乗れる持続可能な移動手段として一定の役割を果たす可能性があるという見解を示した論文が、今週掲載される。ただし今回のモデリング研究では、自動車での移動の大半を占める走行距離35キロメートル未満の場合には、VTOLのエネルギー消費量と温室効果ガス排出量が陸上車両よりも多くなるという結論が示されている。
輸送分野には、大気汚染と交通渋滞を減らしつつ乗客需要を満たすという課題がある。これらの解決には自動運転車と電気自動車が役立つ可能性があるが、既存の道路での渋滞解消という課題は未解決のままになっている。一方、VTOLはこの課題の克服に役立つ可能性が示唆されている。
今回、Gregory Keoleianたちの研究グループは、物理学に基づくモデルを用いて、一度に数人を輸送できるVTOLのエネルギー消費と温室効果ガス排出を調べて、その結果を既存の内燃機関自動車(ICEV)やバッテリー式電気自動車(BEV)と比較した。1人が乗って100キロメートル離れた2地点間を移動した場合、VTOLの温室効果ガス排出量はICEVより約30%少なかったが、BEVより約40%多かった。また、Keoleianたちは、VTOLが「空飛ぶタクシー」サービスに利用されることを想定して、4人が乗ったVTOLの温室効果ガス排出量を陸上車両(平均乗員数1.54人)と比較した。その結果、このVTOLの人・キロ当たりの温室効果ガス排出量は、ICEVより52%少なく、BEVより6%少なかった。
doi:10.1038/s41467-019-09426-0
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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