Research Press Release
【地球科学】原野火災が米国本土の河川流量に影響を及ぼす
Nature Communications
2018年4月11日
米国本土、特に太平洋岸北西部、コロラド川下流域、およびテキサス湾岸地域では、過去30年間にわたって大規模な原野火災のために年間河川流量が増加してきたことを報告する論文が、今週掲載される。この新知見から、気候条件の変化と火災の特徴の変化の両方が河川流量に影響を与えており、この点を局所レベルと地域レベルの火災後の管理戦略に組み込むべきであることが示された。
今回、Ge Sunたちの研究グループは、米国本土168か所における過去30年間の原野火災、河川流量、気候、地形と土地被覆に関する高分解能の空間データセット、流域特性、および時系列を用いて研究を行った。その結果、原野火災後の河川流量の応答が、気候と降水量の地域差によって地域スケールで変動していることが判明した。また、米国西部全域で年間河川流量が原野火災によって増加したが、亜熱帯の米国南東部での計画火災(山焼き)が河川流量に与える影響は限定的であることが分かった。
Sunたちは、この地域的変動を米国の原野火災後の管理戦略に組み込み、給水や給水関連サービスに対する需要の増加を管理しつつ、原野火災の発生頻度の上昇に対応する必要があると主張している。
doi:10.1038/s41467-018-03735-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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