【動物学】ライオンとチーターはどのように獲物を追い詰めるのか
Nature
2018年1月25日
ライオンがシマウマを追い詰める過程とチーターがインパラ狩りをする過程を詳細に分析した結果を報告する論文が、今週掲載される。いずれの捕食者と被食者の組み合わせでも、筋力と加減速能力から判断される運動能力は捕食者の方が高いが、被食者は機動性が高くなる低速状態で捕食者から逃げ切れることが今回の研究で明らかになった。
この研究で、Alan Wilsonたちは、2組の捕食者と被食者の組み合わせ(ライオンとシマウマ、チーターとインパラ)における移動運動をボツワナにある自然のサバンナ生息地で調べた。Wilsonたちは、自由に生活する野生動物(チーター5頭、インパラ7頭、ライオン9頭、シマウマ7頭)に特製の首輪を付け、これらの動物がボツワナ北部で合計5000回以上の高速疾走を行った際の速度データと加速度データを収集した。また、Wilsonたちは、チーター6頭、インパラ5頭、ライオン8頭、シマウマ8頭の後肢の大腿二頭筋の生体組織検査を行って筋力を測定した。
その結果、速度と加速度、旋回能力から判断されたチーターとインパラの運動能力は全般的にライオンとシマウマより高かったが、それぞれの捕食者と被食者の組み合わせにおいては、捕食者の方が被食者よりも筋繊維の力が20%、加速能力が37%、減速能力が72%高いことが判明した。次にWilsonたちは、これらのデータを用いて狩猟行動のシミュレーションを行い、被食者は低速状態で機動力を最大化して捕食者をかわし得る一方、捕食者は確実に生き延びられるだけの狩猟成功率を確保するために被食者より優れた運動能力を備える必要があることを明らかにした。
これらの新知見は、それぞれの捕食者が好む被食者と狩猟様式に関する手掛かりとなっている。Wilsonたちのモデルからは、例えば、ライオンによるインパラ狩りの成功率が低いことが予測されており、ライオンは広々とした草原でインパラを追跡して捕獲しているのではなく、機を見て捕獲しているという観察結果の裏付けになっている。
doi:10.1038/nature25479
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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