【地球科学】グアノの影響を考慮した全球的栄養循環の再計算
Nature Communications
2018年1月24日
世界規模で捉えた海鳥による窒素の年間排泄量が約591,000,000 kg、リンの年間排泄量が約99,000,000 kgであることを明らかにした論文が、今週掲載される。この新知見は、海鳥の糞による窒素とリンの流入が、これらの元素の全球的循環に通常含められている重要なプロセス(例えば、漁業活動)と同じ規模であることを明らかにしている。
海鳥の糞に含まれる栄養素は全球的栄養循環の重要な要素となっている。過去の研究で海鳥が排泄する窒素の定量化が行われているが、海鳥が排泄するリンの量に関する全球的試算は行われていなかった。
今回、Miguel Huerta-Diaz、Xose Luis Oteroたちの研究グループは、海鳥の成体とヒナから排泄される窒素とリンの量を算定するモデルに全世界の海鳥320種のデータを適用した。その結果、海鳥の糞が特に南極海地域と南大洋地域において栄養素の重要な供給源となっていることが明らかになった。また、海鳥のコロニー付近では、糞が土壌と水の化学的性質を変化させ、窒素とリンを植物群集にとって利用しやすい形態で供給することで、環境に対して重要な影響を及ぼしていることも判明した。著者らは、極域と亜寒帯域の海鳥のコロニーが、窒素とリンのホットスポットを海洋に移動させる役割を果たしている可能性があると考えている。遠隔海洋系において、海鳥のコロニーが大気中のアンモニアの重要な供給源であることが過去の研究によって明らかになっているが、この点に関して、今回の研究結果は新たな証拠をもたらした。
doi:10.1038/s41467-017-02446-8
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
天文学:ゴッホの『星月夜』、7月の夜空に着想かScientific Reports
-
生態学:沿岸保護における塩性湿地の役割Nature
-
考古学:シャニダール洞窟のネアンデルタール人遺骸に致命的な槍傷の可能性Scientific Reports
-
気候変動:造礁サンゴ種のほぼ半数で相対的な絶滅リスクが高いNature
-
古生物学:飛べなかったジュラ紀の鳥が初期の生態的多様性を明らかにするNature
-
生物学:閉経は生理的な「崖」を示すNature Medicine
