【生物科学】老化に関連するストレスを概日時計が軽減する
Nature Communications
2017年2月22日
概日時計によって制御されるストレス応答遺伝子が、老齢のキイロショウジョウバエにおいて発現上昇していることが明らかになった。細胞の概日時計(24時間周期の遺伝子発現)の異常は、老化の促進やその他の健康問題を伴うのが通例だが、今回の研究によって得られた知見は、老化する生物が概日時計によってどのように防御されているのかという論点を解明する上での手掛かりとなっている。この研究結果についての報告が、今週掲載される。
概日リズムは、約24時間を周期とする概日時計遺伝子の振動的発現を通じて、代謝、行動など一定の過程を制御している。今回、Jadwiga Giebultowicz、David Hendrixとその他の研究者によるチームは、老化によって概日時計遺伝子がどのように変化するのかを解明するために、24時間にわたって若齢のショウジョウバエと老齢のショウジョウバエの遺伝子発現を比較した。その結果、若齢個体で振動せず、老齢個体で振動した遺伝子群が同定された。Giebultowiczたちは、これらの遺伝子を“late-life cycler”と命名し、その多くが、酸化ストレス(老化とともに増加する細胞傷害の一種)に対する応答に関連していることを明らかにした。
以上の結果からは、生物が酸化ストレスと老化に適応する上で概日時計が役立っていることが示唆されている。数多くの細胞の概日時計遺伝子がショウジョウバエからヒトまで保存されているが、この防御的過程が哺乳類に保存されているかどうかはまだ明らかになっていない。
doi:10.1038/ncomms14529
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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