【進化】菜食主義をやめた初期人類
Nature
2016年3月10日
初期人類に特有の進化的変化が、生肉を食事に取り入れたことと基本的な石器を使用することによって説明できる可能性について報告する論文が掲載される。今回の研究は、初期人類が、その後登場する調理法ではなく、肉と道具によって解放されて、咀嚼に関係する特徴が小型化し(つまり、顔が小さく、短くなり、歯が小さくなり)、その結果、他の機能(例えば、発話や体温調節)の選択が生じた可能性があることを示唆している。
ヒトは、ホモ・エレクトス(Homo erectus)の時代(およそ200万年前)に脳と体が大きくなり、1日に必要なエネルギー摂取量が増えた。しかし、これと矛盾するように、それ以前のヒトの祖先と比べて、ヒトの歯は小さくなり、咀嚼筋と咬合力が弱くなり、胃腸が小さくなった。こうした変化は、食事における肉の摂取量が増え、石器を使って食物を薄く切り、叩くようになり、あるいは食物の調理によって生じたという考えが示されていた。しかし、調理が一般的になったのは今から50万年前のことだ。
今回、Daniel LiebermanとKatherine Zinkは、成年被験者に対して、肉(ヤギの肉)とデンプンの多い植物の貯蔵器官(ジュエルヤム[サツマイモの一種]、ニンジン、ビーツ)の標準化サンプルを与えて、咀嚼能力を評価した。この評価では、咀嚼に必要な筋肉運動と飲み込む寸前の食物の分解の程度が測定された。その結果、肉が3分の1を占める食事を摂取し、石器を使って食べる前に肉を薄切りにし、植物材料を叩くことで、初期ヒト属が咀嚼を必要とする機会が17%減少し、強くかむ必要が26%減ったと考えられることが判明した。
doi:10.1038/nature16990
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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