【材料科学】滑らかに動き、ちぎれて、はがれて、丸まるグラフェン
Nature
2016年7月14日
単層のグラフェンや2層以上のグラフェンを熱的に活性化すると、自発的に滑らかに動き、折りたたまれ、剥がれ、細長くちぎれることを報告する論文が、今週掲載される。グラフェンは、その風変わりな特性が既に知られているが、こうした単層グラフェンの挙動が今回の研究で初めて観察された。
グラフェンシートに温度が及ぼす影響(例えば、しわの形成)については、これまで研究が行われ、グラフェンの特性(例えば、抜群の安定性)の解明が進んできた。
今回、James AnnettとGraham Crossは、グラフェンシートから幅300~2,000ナノメートル、長さが最大5マイクロメートルの二次元グラフェンリボンを作製した。このグラフェンリボンは、グラフェンシートをへこませたことが引き金となった核形成の後に自発的に成長することが観察された。次に、AnnettとCrossは、室温のグラフェンリボンとホットプレートまたは集束されたレーザースポットで加熱されたグラフェンリボンの挙動を解析し、加熱によってグラフェンリボンの成長が加速し、増加することを明らかにした。AnnettとCrossは、破壊力学モデルを使って、この観察結果は、孤立した二次元物体が合体して低エネルギーの三次元物体を形成する傾向があるという熱力学的機構によるものだと解釈している。
今回の研究結果からは、二次元材料の新たな用途が生まれる可能性がある。とりわけ、この新しい自己組織化機構は、二次元材料から複雑な三次元構造を作り出す上で有用なものとなる可能性があるとAnnettとCrossは考えている。
doi:10.1038/nature18304
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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