敗血症に見られる免疫麻痺の原因
Nature Immunology
2016年3月8日
敗血症の際に免疫系が機能不全に陥る仕組みについて、新しい手掛かりの報告が寄せられている。この研究により、敗血症の後期に特徴的に起こる免疫麻痺を回復させる新しい方法が明らかになった。
敗血症は血液中に細菌や真菌が入ることによって引き起こされ、一般に病院内で感染し、死に至ることも多い。感染から数時間で免疫系の細胞の活動が亢進するが、何日か経つと、今度は免疫系が強く抑制された免疫麻痺になり、患者は他の感染を起こしやすくなる。しかし、この敗血症後期の免疫応答の中で、白血球がどのような役割を果たすかはほとんど分かっていない。
Tom van der Poll、Mihai Neteaたちは、細菌性敗血症患者33人、真菌性敗血症患者13人、実験的に軽度の敗血症を誘発する(短期間、インフルエンザに似た症状を引き起こす程度の少量の菌を注射する)ことに同意した健康なボランティア8人と敗血症の実験的マウスモデルについて、白血球の代謝変化を調べた。すると、白血球が細菌や真菌の感染に対して効果的な応答ができないのは、白血球の全般的な代謝活性の極端な低下が原因らしいことが分かった。患者が敗血症から回復した後は、免疫系細胞の代謝活性も正常に戻った。また、γインターフェロン(健全な免疫応答を示す正常な白血球が放出する因子)を投与することにより、真菌性敗血症患者由来の白血球の代謝活性と免疫応答性が回復できることも明らかになった。
白血球のこの特徴的だが回復可能な代謝変化は、重度の敗血症の効果的な治療に役立つ標的になる可能性がある。
doi:10.1038/ni.3398
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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