角に隠れた物体をカメラで見る
Nature Photonics
2015年12月8日
角の向こう側を見ることができ、角に隠れた物体の位置をセンチメートルの精度で検出した後その動きを追跡できるカメラシステムが、今週のオンライン版で報告される。この研究は、死角を捉えることのできる監視システムや車の衝突回避システムなど、多くの実生活シーンにおいてリアルタイムで隠れた物体を追跡する手法に向けて道を開くものとなる可能性がある。
最近の研究で、隠れた静止物体の3D形状を検出できることが実証されている。しかし、既存の方法は長い収集時間を要するため、動く物体の位置特定や動きのリアルタイムモニタリングが大きな課題として残されている。
Genevieve GariepyとDaniele Faccioたちが設計したシステムは、2つの装置、すなわちレーザー装置と単一光子アバランシェダイオード(SPAD)カメラで構成されている。SPADカメラは、感度が高く、応答速度が非常に速い。Gariepyたちはレーザー装置から短パルス光ストリームを発射し、ちょうど角の正面にあたる床の一部に照射した。光パルスは床面で散乱された後、隠れた物体(発泡材でできた高さ30 cmの人形)にぶつかって反射されると、カメラの視野に入って(カメラも角の正面にあたる床部分の方向を向いている)、検出・解析される。このシステムは、光パルスの飛行時間とカメラが受光する光パターンの形状を利用して、物体の位置情報を得ている。
Gariepyたちはこの手法を用いて、壁の裏手に隠れた物体の位置をたった3秒の収集時間で特定できたほか、カメラから1 m離れた物体の動きをリアルタイムで確実に追跡できた。今後の研究では、物体の3D再構成が試みられる可能性があるという。
doi:10.1038/nphoton.2015.234
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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